神戸の街角

自宅近くの通り沿い(それは決して大通りではないのだが駅前に続く主要道路であり、スーパーや美容室が立ち並ぶ人通りの多い場所)に、しばらく建設工事をしている区画があった。

十字路の角地であり、立地としては申し分のない場所だろう。一体、どんな建物になるのだろうといつも気になっていたのだが、それがついに判明した。

歯医者だった。

ガッカリしたし、よくもまぁこんな競合ひしめく土地で勝負しようと思ったなと、感心すらした。

数メートルもいかないところに既に歯医者があるというのに、しかも、その歯医者だって昨年開業したばかりである。歯医者はコンビニより多いとは聞くが、ここまでとは恐れ入った。

わたしは、この場所に本屋が来てくれないかと密かに願っていた。絶対に叶わないであろう願いだ。

むしろ、わたしが本屋を開業したいとまで思っていた。しかし、そんな資金があるわけもなく、だからこそ誰かがそこに本屋を開業してくれないだろうかと願ったのである。

しかし、出来たのは歯医者だった。

おそらく儲からないであろう歯医者。数年後には撤退して空きテナントになるだろうか。

たしかに駅前に行けば大手チェーンの本屋があるが、この街にはもう少し小規模の本屋が必要だ。わたしがその役割を担えるのはいつになるだろう。そもそも、そんな日は来るのだろうか。

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