A jar of organic mayonnaise inside of a fridge

A jar of organic mayonnaise inside of a fridge

いつからだったか、マヨネーズのキャップ(あの赤いやつ)にピンクチェックのマスキングテープが貼られていることに気づいた。百円ショップで売っていそうなやつだ。そして、それは妻が貼ったものだと気づく。

そこから徐々に、ピンクチェックのマスキングテープが貼られたものが増えていった。

ソースに醤油、サランラップにクッキングシート。ピンクチェックが家の中を侵食していく様をわたしは黙って見ているしかなかった。

そして昨日、米びつにもピンクチェックの印が貼られていた。これは、もう一つ米びつを買えということなのだろうか。

わたしは婿養子に入ったわけではないのだが、空き家になっていた妻親族が所有する一軒家に住んでいる。そのため、事あるごとに「ここは私の(親族の)家なんだから勝手しないで」と言われるようになった。もう気分は不自由ばかりある婿養子なのだ。

これまでに、ドラマや小説などで夫婦喧嘩が描かれるさい夫が妻に対して「ここは俺の家だ。お前が出ていけ」と悪態をつくシーンを目にしたものだが、それをされている気分だ。あの時に画面の向こうにいた女性はこんな気分だったのだろうなといつも想像している。

この家にはあらゆるものが2つずつ存在している。一軒家とはいえ、物が溢れていく一方だ。

幸いなことに、冷蔵庫や洗濯機は結婚してから購入したものを持ち込んだので、かろうじて、わたしにも使用する権利が残っている。しかし、家にある車の駐車スペースは使うことができなかった。

まだ離婚していないが、財産分与をさせられた。そして、わたしはそれに応じた。

銀行預金も株式などの金融資産も公開して等分して分配し、所有していた車も売却した。

ただ、車が無いと不便な地域のため、中古車でも購入しようと検討していたところ、「この家の駐車場は私の(親族の)持ち物なので使わないでください。私が使います。」と一方的な通告を受けた。そして、この件については、妻側の弁護士から慇懃な書面も届いた。

結局、わたしは家から離れた月極駐車場を借りるしかなく、近くの不動産屋さんを必死に巡って空いている駐車場を見つけたのだ。

わたしは、いつ、何を取り上げられてしまうか分からない恐怖と戦っている。少し前までは、息子という大切な存在を取り上げられる恐れもあった。それに比べたら、駐車場がいくら遠かろうと、ケチャップやマヨネーズを分けられようと、我慢できる。

わたしはこのまま家族を維持したいと考えている。しかし、妻はそう考えていない。

これが問題だ。

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