今回ご紹介するのは週刊ヤングマガジンで連載中の「白地図のライゼンデ」です。
第85回ちばてつや賞ヤング部門で優秀新人賞に選ばれたパミラ氏が、11月14日発売の「週刊ヤングマガジン」第50号から連載を開始している。
https://yanmaga.jp/comics/白地図のライゼンデ/54a3e4d54f830f0d765c2c860dd0a990
新連載のキャッチコピーは
「獣の少女が未来を拓(ひら)く、未踏の“測量”ファンタジー!」
開拓者のザバが、暗黒の地・未測定領域の洞窟で獣人の少女・リタと出会い、魔物と化した人を救う可能性が眠る廃都アムステルムの開拓を提案する。
まだ連載が始まって間もないこの作品を取り上げる理由は、主題とする「地図」が持つ可能性への期待の現れでもある。私たちは毎朝当たり前のように日本地図を目にして、東京や大阪の天気を確認している。もちろん、伊能忠敬はじめ過去の功労者が日本中を測量し、地図という形に書き記したおかげであるが、当初は未開の地であった地域も誰かが到達して人々の知るところとすることで人が住める土地として認識されることとなる。
日本国内も世界もほぼ未開の地、つまりフロンティアは消滅しており、現代におけるフロンティアとは、もはやメタバースのような仮想現実の中にか存在しないものと思われている。
例えば、惜しまれつつも物語が完結した「進撃の巨人」は、エレンやミカサをはじめとしたエルディア人が調査兵団として壁外を調査し、巨人を駆逐しながら居住区域を拡大する活動を行う者たちを主人公としていた。未開の地を突き進み、行き着くところまで行き着いた際に分かったのはマーレという大国の存在であり、そこには多くの人々、自分達と同じ人間が住んでいることを知るところとなる。
獣よ 世界を知る覚悟はあるか
第1話のタイトルバックでそう読者に問いかける作者は、この物語をどう展開させていくのだろうか?獣が無知な人々のアナロジーだとするなら、作者は獣人のリタを、開拓者のザバとともにどこに連れて行こうとしているのだろう。